貧血は、子供の慢性的な病気の中で最も多いものです。貧血の原因として最も多いのは鉄欠乏性貧血といわれるものです。
検査ではヘモグロビン(血色素)量の値で貧血の程度を評価してゆきます。女性では、12g/dl以下になると貧血と言われていますが、徐々に進行した場合は4~5g/dlになっても自覚症状がない場合があります。
みなさんもご存知の赤血球のなかにヘモグロビンがヘムという色素とグロビンというたんぱく質の形で存在しています。そしてこのヘムを構成しているのがポルフィリンというたんぱく質と鉄なのです。
ヘムは、肺で結合した酸素を体中に運搬するという重要な役割を担っています。鉄の体内での分布をみると、全体の55~60%がヘモグロビンに、10数%が酵素に、数%がミオグロビンに、そして残りは貯蔵鉄として蓄えられています。そして、出血などの場合にはいち早く貯蔵鉄から鉄が体に供給されて、貧血にならないようにしているのです。
このように鉄は体の中で重要な役割を果たしていますが、残念ながら食事からしか摂取できないのです。
1日に摂取する鉄の量は約10mgと言われていますが、吸収はその10分の1で1mg、排泄される鉄もまた1mgで均衡が保たれています。
しかし、偏食や出血、月経発来などで、鉄の摂取量が減少してり消費量が増加すると、体内の鉄も減ってしまい鉄欠乏症や鉄欠乏性貧血の状態になってゆきます。
特に、思春期の女子はからだが大きく変化してゆき、鉄の必要量が増加する時期に不規則な食生活や偏食、また月経が始まる時期が重なるためよけいに鉄欠乏が起こりやすいのです。
