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月経異常

月経困難症

月経困難症とは

月経困難症(dysmenorrhea)とは、月経時に下腹部痛(生理痛)や腰痛があり、日常生活に支障が出るほど症状が重いものを言います。
下腹部痛が激しい場合には、吐気・嘔吐さらには顔面蒼白になったり、過換気症候群になり救急搬送が必要になることもあります。

月経困難症の原因

この痛みは子宮内膜から産生・分泌されるプロスタグランディンといわれる化学物質が過剰に産生されたり、子宮筋の感受性が強いために過度の子宮収縮が起こることによるとされています。
付随的な要因としては、狭い子宮頚管、子宮の位置異常(後屈など)、月経に対する巣案などが挙げられます。
思春期における月経困難症の原因の多くは、子宮や卵巣の器質的異常がない原発性月経困難症です。
                              

原発性月経困難症について

子宮など生殖器における器質的異常を伴わない、月経に関係するものを原発性月経困難症といいます。
思春期の月経痛の多くは、原発性月経困難症です。一般的には思春期に現れ、加齢・妊娠により軽減・減少する傾向にあります。


★症状
下腹部痛は痙攣性であることが多く、痛みが下腹部から腰や足などに広がっていくこともあります。随伴症状としては、頭痛・吐気・嘔吐、また換気症候群を呈し意識消失などが起こることもあります。


★診断・治療
超音波検査などで器質的異常がないことをまず確認することが必要となります。思春期の少女の場合はお腹の上からの超音波検査にて検査をします。
多くに場合には薬は必要ありませんが、ひどくなれば鎮痛剤が必要となります。プロスタグランディン合成酵素阻害薬(ロキソニン、ポンタールなど)で効果が期待できますが、鎮痛薬だけでは効果がない場合には鎮痙剤(ブスコパン)の投与が必要になる場合もあります。
日常、患者様を診ているとできるだけ薬を飲まないようにと痛みを我慢して、結局ひどくなりたくさんの薬を使用しなければいけない症例が多々あります。あまりひどくならないうちに対処していただいた方が、結局は薬の使用量も減ると思います。
ホルモンを使用する治療法もあり、低量のエストロゲン・プロゲステロン合剤である経口避妊薬(低用量ピル)などを使用して排卵を抑制することが有効です。
また漢方薬も日常よく使用されています。月経困難症や月経前症候群などはいずれも「瘀血」「水毒」がその病態の中心をなすといわれていますので、当クリニックにおいても腹診などをさせていただき、当期芍薬散、芍薬甘草湯、加味逍遥散、桂枝茯苓丸、桃核承気湯などその人に合った処方をいたします。
                              

二次性月経困難症について

明らかな病因によって起こる月経困難症をいいます。
子宮内膜炎や子宮筋腫でも月経困難症を起こしますが、最近は子宮内膜症が原因で月経困難症を訴える若年女性が増加しています。
子宮内膜症については、別の講座にて詳しく解説しておりますので、ご参考にしてください。


★診断・治療
診断についは、超音波検査にて子宮筋腫や子宮内膜症性卵巣嚢腫などが見つかれば、月経困難症の原因と疑われます。
治療は原発性月経困難症と同様に、各種鎮痛剤、鎮痙剤、漢方薬、精神安定剤や、ピル(低用量ピル・中用量ピル)などが使用されます。
子宮内膜症や子宮筋腫の場合には、これらの疾患は女性ホルモン依存性のため、GnRH製剤という卵巣からの女性ホルモン分泌を抑制する薬剤を用いて人工的に閉経した状態にすることで治療するものです。点鼻薬と注射薬があり、治療中は更年期障害と同様の症状が出現することがあること、治療期間は骨などへの影響から半年であること、使用を止めると子宮筋腫の増大や症状の再発などの可能性があることなどがあり、当クリニックでも、治療の適応について詳しく説明のうえで治療方針を決定しております。
手術での治療もあり、子宮内膜症では腹腔鏡下手術により卵巣嚢腫摘出術、子宮筋腫核出術、また癒着剥離や病巣部の焼却などを行います。これらの治療により、月経困難症の軽減とともに不妊症の治療にもなります。以前は子宮内膜症性卵巣嚢腫(チョコレート嚢腫)は癌化する可能性があるという報告がなされているため、手術による摘出が適当であると考えられています。
当クリニックでは、手術適応と判断された方は高次医療機関へ責任をもってご紹介しております。
                              
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