今までに病院で診療に従事して一番思うことは、子宮体がん検診が予想以上に実施されていない現実です。
基本的には、不正出血などがあれば実施を考慮すべきでしょう。もちろん閉経後は定期検診として実施するのが良いと考えています。
ところが、不正出血のエピソードがあっても実施されていなかったり、閉経後も子宮頸がんの細胞診だけ行われていたり。
ところが、このような方に聞いてみると、「体がんの検査もしてくれていると思った」といわれる方が結構おられるのに驚きます。
これには、いろいろな要素が絡んでいると推察しています。
まず、子宮体がんの検診を何故しないのか?私には理解しにくいですが、
検査そのものが、特に閉経後は頚管は閉じていることが多く器具を挿入しにくいことと、また時間がかかることもある、また多少なりとも痛みや出血を伴い患者の印象が悪くなる(あそこの検診は痛いとかいう悪評を恐れている?)などいろいろあると思います。
「子宮がんの検診今まで痛くなかったのに今回は痛かった」などといわれることがありますが、よくお話を聞いてみると子宮体がんの検診をされておらず、医師からも詳しい説明がなく、自分では入り口も奥も全部検診してもらていると思い込んでいたというケースがほとんどです。
毎年子宮がんの検査をしていたといわれ、不正出血で来院されるもすでに進行していて手のつけようがなく、確認すると子宮体がんはされていなかったというケースに出会うと、残念で産婦人科医師としてやるせない気持ちになってしまいます。
また、私は必ず超音波診断装置で子宮内膜の厚さを計測します。というのは、子宮体がんの診断は難しく、不正出血などの臨床症状がなく、検診時に子宮内膜が年齢不相応に厚くなっていた方には必ず組織検査を追加実施しますが、細胞診では正常との結果であったにもかかわらず、組織検査で子宮体がんが確認された症例が過去に数例経験があります。
どうか、検査内容や疑問に思うことなどは遠慮なさらずに担当医師にお尋ねください。
