愛和レディースクリニック・伊丹市・産婦人科

愛和レディースクリニック[伊丹市・産婦人科・婦人科]思春期・更年期相談・漢方相談・不妊相談・子宮がん検診・尿失禁相談・ピル外来・妊婦健診・子宮頸がんワクチンなど女性総合診療クリニック

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〒664-0027 伊丹市池尻1丁目204-2イズミヤ昆陽店駐車場北出口前

子宮頸がんワクチン

子宮頸がんワクチン最近、子宮頸がん発症の若年化、特に妊娠・出産を控えた20歳代・30歳代の女性の罹患率の増加が深刻な問題となっています。
年間約1000人の女性が子宮頸がんに罹患し、約3500人が子宮頸がんで死亡しています。

2011年7月に認可された子宮頸がん予防ワクチン。
これにより、子宮頸がん検診と子宮頸がん予防ワクチンの接種で予防できるようになってきました。
海外では、早くに行政が取り入れられていますが、日本ではまだ始まったばかりです。
しかし、接種後に神経症状が出現し後遺症まで発生し、社会問題となったのを機に、現在、厚生労働省は接種を推奨しておりません。
そのため、当クリニックにおいても子宮頸がんワクチンの接種は実施しておりません。

子宮頸がん予防ワクチンの風評子宮頸がんの原因はウイルスヒトパピローマウイルス(HPV)子宮頸がん予防ワクチンの種類子宮頸がん予防ワクチンの投与方法子宮頸がん予防ワクチンの副反応4価ワクチン(ガーダシル)で予防できる疾患

子宮頸がん予防ワクチンへの風評

一部のサイトで、子宮頸がんワクチンに含まれる水銀系保存剤が神経系の病気を起こしたり、不妊になるといった記載がされています。
また、水銀系保存剤のために妊婦にはシリンジタイプの保存剤が含まれていないワクチンを接種しなければならないといった考えが広まりました。
しかし、海外でもそのような報告はなく、また日本産婦人科学会が、
子宮頸がんワクチンで不妊になることはない
保存剤を含むワクチンが妊娠に影響をおよぼすことがない
検診で病変が見つかった場合に、症状を悪化させたり、がん化を促進させるということはない
と言う見解をだしています。

ですから、子宮頸がんワクチンを接種したからといって不妊や特定の疾患になることはなく、また妊婦においても保存剤の入っている今まで使用されてきたタイプのワクチンの接種の安全性を学会が認めているのです。

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子宮頸がんの原因はウイルス

現在、子宮頸がんは原因が解明されています。子宮頸がんの原因は、ほぼ100%がヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染であることがわかっています。子宮頸がんの原因である発がん性HPVは、皮膚と皮膚(粘膜)の接触によって感染するウイルスで、多くの場合、性交渉によって感染すると考えられています。

ただ、HPVはほとんどの女性が一生のうち一度は感染すると言われるほどとてもありふれたウイルスです。握手や電車の吊革に触れても感染するといわれるくらいです。
そのため、性行動のあるすべての女性が子宮頸がんになる可能性を持っています。


ヒトパピローマウイルス(HPV)

ヒトパピローマウイルス(HPV)ヒトパピローマウイルス(HPV)は100種類以上のタイプがあります。このうちの約15種類は子宮頸がんの原因となることが多い発がん性HPVです。このうちHPV 16型とHPV 18型と呼ばれる2種類は、子宮頸がんの原因の約70%を占めています。

ヒトパピローマウイルス(HPV)にはハイリスク型とローリスク型があり、子宮頸がんを引き起こすのは発がん性HPVといわれるハイリスク型のみです。

高リスク型のHPVが子宮頸部に感染してもすぐにがんが発症するわけではありません。人間の免疫力によって90%以上は体内から自然に排除されます。
しかし、このウイルスが子宮頸部に残り、数年~十数年の感染が続いた場合に、少しずつがん細胞へと進行していくといわれています。

ヒトパピローマウイルス(HPV)には
  • 尖圭コンジローマの主な原因となるHPV 6型・11型(ローリスク型)
  • 子宮頸がんの原因の約70%を占めるHPV16型・18型(ハイリスク型)
があるが、日本人には ハイリスク型の52型・58型も多く検出されています。

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子宮頸がん予防ワクチンの種類

現在、日本で接種できる子宮頸がん予防ワクチンには、
・16型と18型の2つのに対して感染予防効果を持つもの
・6型、11型、16型、18型の4つ対して感染予防効果を持つもの
の2種類があります。

子宮頸がんワクチンの注意点としては
●6型、11型、16型、18型以外のHPV型に対しては予防効果が期待できない
●既に生じた病変の進行予防効果は期待できない
●開発されてまだ期間が経過していないため、長期予防効果は限定

子宮頸がんワクチンの投与法

接種対象年齢

9歳以上
●現在、地方自治体の助成制度により、中学1年生から高校1年生(場合により高校2年生まで)までの女性が子宮頸がん予防ワクチンを3回接種できるようになっています。
助成の範囲は、各地方自治体によって異なりますので、居住の市役所等にて確認してください。

接種方法・投与間隔

9歳以上の女性に、1回0.5mlを合計3階、筋肉注射を実施します。

●4価ワクチンのガーダシルの場合
 初回接種後、2ヶ月後、6ヶ月後の合計3回
●2価ワクチンのサーバリックスの場合
 初回接種後、1ヶ月後、6ヶ月後の合計3回

ただし
☆他の予防接種を接種の場合は
 ・生ワクチン(ポリオ・風疹・麻しん・BCG・おたふくかぜ・水痘・麻しん風疹混合など)の場合
  27日以上感覚をあけると接種が可能
 ・不活化ワクチン(インフルエンザ・肺炎球菌・B型肝炎・ジフテリア・破傷風・日本脳炎など)の場合
  6日以上あけると接種が可能

☆妊娠の場合は
  妊娠中の接種は避けていただくため、3回の接種が完了しないうちに妊娠された場合は、出産後まで接種を延期していただき、出産後残りの接種を主治医と相談していただく。

異なる子宮頸がん予防ワクチンの接種は、有効性・安全性等に関しての臨床成績がないため、異なるワクチンの接種は避けていただくようにします。

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子宮頸がん予防ワクチンの副反応

接種による主な副反応
●頻度10%以上:注射部位の痛み・腫れ
●頻度1~10%未満:発熱・注射部位のかゆみ・出血・不快感・頭痛
●頻度1%未満:注射部位のしこり・手足の痛み・下痢・腹痛・白血球増多
●頻度不明:寒気・倦怠感・失神・めまい・筋肉痛・リンパ節症んど

まれに、過敏症反応(アナフィラキシー反応・アナフィラキシー様反応・気管支痙攣など)・ギランバレー症候群・血小板減少性紫斑病などがあります。

☆接種後は、すぐに帰宅せずに30程度は接種した医療機関で座って安静にしていただきます。
☆接種した日の入浴は問題ありません。


4価ワクチン(ガーダシル)で予防できる疾患

●子宮頸がん(扁平上皮癌・腺癌)
●子宮頸部上皮な腫瘍(CIN)1/2/3
●上皮内腺癌
●外陰上皮内腫瘍(VIN)1/2/3
 外陰上皮内腫瘍は、外陰がんに先行してみられる場合がある腫瘍であり、HPV感染が約半数程度関与しているといわれています。
 外陰がんは、女性性器の外陰がんに発生するがんで、不意人かのがんの約3%を占めています。
●腟上皮内腫瘍(VaIN)1/2/3
 膣上皮内腫瘍は、膣がんへ進行してゆく可能性がある腫瘍で、HPVの感染が主な原因です。
 外陰がんは、女性性器の腟に発生するがんで、不意人かのがんの約1%を占めています。
●尖圭コンジローマ
 尖圭コンジローマは、直径1-3mm前後の良性のイボが性器や肛門の周囲にできる病気です。
 痛みやかゆみはほとんど無い場合があるが、違和感・痛み・ヒリヒリ間などを伴うことがあります。
 
 妊娠している女性が尖圭コンジローマを発症すると、出産の際に産道感染し、赤ちゃんにもHPVが感染してしまう可能性があります。
稀ですが、赤ちゃんの喉などにイボのような腫瘤ができる再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)を発症し、呼吸困難になったり、何ども切除を繰り返さなくてはいけない場合もあります。

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